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SOHO体験談
 

今回はマークアップエンジニアとしてご活躍中の佐藤智世さんにお話を伺いました。
主にMovableType(ビジネスにも使える拡張性に優れたブログ作成ソフトウェア)でのサイト構築において、ブログソフトで作っていながら「ブログで作ったとは見えない」ようにコーディングしてデザイナーのイメージどおりのサイトに作り上げるということも、佐藤さんのお仕事の範疇だそうです。
そんな佐藤さんの今の形でお仕事を始めたきっかけや日々の仕事の進め方、これからの展望などを伺いました。


取材日:2007.3
プロフィール
お名前 佐藤智世(さとう ちよ) 佐藤智世さんイラスト
屋号 natty design(ナッティデザイン)
生年月日 1971年5月
現在お住まいの市 川崎市
家族構成 ご主人とお子さん2人(6歳、2歳)
職種 マークアップエンジニア
特技 コーディング
趣味 コーディング、料理
ホームページアドレス http://www.nattydesign.com

インタビュー
 
きっかけはポストペット、次第に得意分野へ特化
今のお仕事までの経緯を伺いします。SOHOとなられて何年くらいですか?
 

2000年からなので4月で丸7年です。
短大卒業後7年くらいは普通の事務系OLでした。その後Web系の会社でアルバイトも含め1年弱勤め、結婚を機に在宅での作業になりました。最初はアルバイトと在宅半分ずつですね。

 
いつからホームページ制作を始められましたか?
 

最初は趣味からです。ポストペットにはまっていて、そこでできた友人達がどんどん自分のサイトを作っていったので私も作り始めました。初めはホームページビルダーを使っていたと思います。
趣味が高じて3ヶ月スクールに通い、そこから制作会社で正社員として働き始めました。在宅になってからもしばらくはアルバイトもしていました。

 
現在と過去ではお仕事の分野が違ってきていますか?
 

はい、違ってきています。最初はホームページのデザインもすべてやっていましたが、今はコーディングを専門にしています。
ホームページ制作の場合「商業デザイン」と呼ばれるデザインの勉強が必要です。人の目の動きや心理状況を考えた形、レイアウト、色使いがあるのです。またデザインはある種のセンスが必要でもあり、多少限界を感じていました。
デザインを画面に表示させていく工程がコーディングという(X)HTMLやCSSを書く作業なのですが、すごくきれいなデザインができてもコーディングができる人は案外いないと聞いたんです。逆に私はコーディングが面白くて面白くて仕方なかったんですよ。「パズルみたい」って思いながら「どのブラウザでも同じように見えること」に快感を覚えていました。
それで次第に別の方のデザインをコーディングするという仕事にシフトしていきました。

 

Webの世界は進歩が速いですがスキルアップはどのようにされているのですか?

 

主に書籍が多いですが、あとは実践です。
どうしてもわからないことがあるときは必死で手を尽くして調べます。メーリングリスト(以下ML)やmixi(ミクシィ SNS(ソーシャルネットワークシステム)の最大手)のコミュニティなどに書き込んで教えてもらったこともありました。そうやって調べたことは必ず自分のものにしていきます。
MovableTypeのサイト作成のお話を初めに頂いたときも、本は持っていたのでそれを見ながら作り上げ、次からは「出来ます」と言えるようになりました。現在構成からすべてMovableTypeでやることも多いです。

 
このお仕事で必ず必要とするものは何でしょうか?
 

インターネット環境とパソコンですね。ちなみにMac愛用者です。
あとはそれに付随してソフトなども必要です。普段作業に使っているのはFireworks、Photoshop、Dreamweaverとエディタですが、お客様が提供される素材を見るためにMicrosoftOfficeや画像ソフトなど浅く広く持っています。

 
このお仕事で楽しかった時はどんな時でしょうか? また佐藤さんが思う、技術とは別にWebクリエイターに必要なものとは何でしょう?
 

自分がやったことのない分野に挑戦をしてそれが成功したときや、CSSハック(ブラウザ毎のバグを逆に利用して表示を微調整すること)を使わないで完璧にレイアウトできたときでしょうか。そしてそれをクライアントに褒めてもらったりすると最高ですね。
Webクリエイターには限らないと思いますが、仕事をする上で「楽しいと思うこと」は必要ではないでしょうか。私はもらったデザインをほとんどのブラウザで同じように見えるように作り上げることが仕事です。ですからある種「物作り」が好きだということは大事だと思います。

 
佐藤さんが中心となって担当されたお仕事を紹介していただけますか?
 

宮前まちの整骨院
これはMovableTypeを使ったサイトで構成からすべてこちらでやりました。デザインはこれから一緒にユニットを組むデザイナーさんにお願いしました。
基本的な更新はお客様がやっていて、特別な更新がある時はこちらで作業しています。

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時間も体力も2割の余力を持って
佐藤さんの時間の使い方について伺います。1日の簡単なタイムテーブルと、どんな風に仕事と自分の時間とのバランスをとっているかを教えてください。
 

朝は子ども達の世話があるのでかなりバタバタです。子ども達を保育園に送って朝の家事を済ませて、10時からは仕事をするようにしています。12時から1時間お昼。必ず机から離れて休憩を取るように心がけています。精神的な健康を保つためにも大切です。午後は17時ごろまで作業をします。合間に夕食の支度をしたりすることもあります。子ども達が帰ってきて寝るまでは基本的に仕事はしません。22時以降作業があればおこない、なければ自分の時間にします。また土日も基本的に休みにしています。

 
Webのお仕事って「これで終わり」という区切りがつけにくいように思われるのですがどうしていますか?
 

デザイナーさんの方が区切りがつけにくいのではないかと思います。
今の私の仕事は「どのブラウザで見てもデザイン画どおりに画面表示されるようにする」と目標が決まっているので、手持ちのすべてのブラウザで画面を見て問題なかったらそこで終わり。それ以上欲張ることはしません(笑)。

 
SOHOのメリットである「自分で時間を決められること」を有効に活用されていますね。
 

それがメリットでもデメリットでもあるんですが。例えば心身の健康保持のために週1回程度近所のスポーツジムでのルーシーダットン(タイ発祥の健康法)教室に通っています。
それから仕事を受注する時は常に「20%の余力」があるように余裕を持ったスケジュールにしています。現在の仕事は分量を聞けば大体の所要時間がわかります。ギリギリの線引きも出来ますが、締め切りまでに子どもに何かあったり仲良しのクライアントさんに「どうしても」と頼まれる仕事が飛び込んでくる事があります。そのアクシデントを受けても締め切りに遅れないようなスケジュールにしておくのです。

 
時間の使い方がとてもお上手ですね?
 

始めはそうでもなかったのです。仕事に入ってしまうと子どもにも家のことにもまったく目が行かなくなる。このままでは誰も幸せになれない。「仕事を辞めて家事に専念しようか」と主人に相談した事もありました。 主人には「お前が掃除したって完璧に出来るはずないだろう」と言われましたが(笑)。
保育園入園も粘り勝ちですね。家で仕事をしている=子どもを見ながら仕事できるでしょ?と思われがちになる。なので書類を出したり精神的に追い詰められかねないことを話して「本当に保育に欠ける状態である」をアピールしました。保育園生活も山あり谷ありですが、この春上の子が卒園というところまで来ました。私自身もこの1年は保育園の役員を引き受けて頑張りました。
家族の協力も大きいと思います。主人はとても理解があり子ども達もそれぞれ頑張っています。私もできるだけ「いつもありがとう」と口に出して言うようにしています。

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「カアサンズ」で新たな一歩を
今までとこれからのお仕事展開について伺います。SOHOを始めたばかりの頃の営業活動について教えてください。
 

最初は主人の知り合いの会社から頂きました。その後はいろいろな求人に応募したりネットワークのつながりからの紹介などです。
営業活動というものはあまりしたことがありません。しいていえば求人サイト以外でサイトの求人ページを探してそこに応募するとか、mixiで「仕事くれー」と日記に書くとかしています。
友人からの仕事は昔も今も請けていますが、友人の仕事ばかりですとスケジュール的にも内容的にも無理が重なってしまいます。
種まき(営業活動)は少しずつ忘れずにしていると忘れた頃に芽が出る(仕事につながる)ものです。仕事を続けていくうちに信頼関係が築けるクライアントさんもできてきます。逆に「報酬は高いけど忙しい時には請けたくないな」と思えるクライアントさんも出てきますが(笑)。

 
mixiなどが営業に有効だと聞いてはいても、なかなかその時間が取れません。たまにアクセスすると長時間になってしまいそれに懲りてまた遠ざかる、の繰り返しなのですが。
 

私も本当に忙しい時はmixiには行きません。今の仕事は納品後クライアントに確認してもらうという「待ち」の時間があるので「その間だけ」と決めてブログを書いたりmixiをのぞいたりしています。mixiは母体が求人情報会社だったということもあり、その気になれば仕事を探すことも結構できると思います。

 
どこかのグループに所属していますか? もしあるならどうやって見つけてこられたのでしょうか。
 

一番最初はWill Way Creationですね。これは検索で見つけたんだと思います。そこでスタッフになり友人が増えてW-stepのスタッフにしてもらいました。
この春にはそこで仲良くなった2人と「カアサンズ(サイトは近日公開予定)」というユニットを組みます。1人は福岡県在住のデザイナー(前出「まちの119番」のデザイン担当者)、もう1人は神奈川県在住のライターです。3人とも母親なので「カアサンズ」なんですよ。

 
現在の収入に満足していらっしゃいますか? また目標ラインはありますか?
 

固定収入がもう少し増えればいいなと思います。ネットで相場を探して提示し自分の仕事に見合った収入を得られる工夫などもしています。昨年やっと赤字を脱出して税金を納められました。目標ラインとしては月30万円以上でしょうか。

 
Webクリエイターとしての今後の夢などぜひお聞かせください。
 

基本的にひとりで仕事をしていますが、何かあっても助け合える環境作りをしていきたいと考えています。
実は先日知人と2人で受けたお仕事で、相手が締め切り間際に体調を崩してダウンしてしまったことがありました。幸いご家族の方と連絡を取ることができたので最新のファイルを送ってもらい何とか納品にこぎつけました。
私自身は〆切直前にパソコン前に座っていられないほどの体調になった経験はなかったのですが、本当に切羽詰った時の情報共有方法や頼りにできる仲間の必要性を感じました。

 
Webクリエイターを志す人、SOHOを志す人に何かアドバイスをいただけたら…
 

SOHOは決して手軽にできる職業ではありません。Webの業界は日々進歩の世界です。今の自分に満足していてはすぐ置いていかれてしまうと思います。自分のできる範囲を見極めたり、いろいろなことに対応する力が必要になります。責任感と向上心は欠かせないと思います。
でもひとりでは長く続きません。助け合える友人・仲間を作っていくことをお薦めします。
私にとっては長い付き合いのクライアントとそれを通じて知り合った人たち、ボランティア活動を通じて仲良くなった「カアサンズ」のメンバーのような人たちでしょうか。

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【スタッフより】
Web制作をする人は多いのですが「すべて、やります」ではなく「MovableTypeのコーディング」という自分の強い分野を見つけて仕事として確立されたところがすごいなって思いました。
実は私もあの後MovableTypeでのWeb制作のお仕事を頂いて猛烈に勉強中です。
佐藤さんのお話は本当に参考になりました。お会いできてとてもよかったです!(りょうがちん)

「マークアップエンジニア」という職種を知らなかった私。Web業界ではニーズの高い大切なお仕事なのですね。仕事と家庭のバランスやスタンスを見極め確実な路線を選ばれている点など、いつも行きあたりばったりの私は感心してばかりでした。
ユニット「カアサンズ」の始動で佐藤さんのますますのご活躍が期待されます。(山椒ぼうや)

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